大願寺
大願寺 山門

 建築年代は不明ですが、様式上の18世紀前期のものと考えられています。当初は一間一戸の楼門でしたが左右一間ずつ平屋の切妻造(昭和初期)を増築しています。左右の増築部には今伊勢神社の東方にあった仁王門が明治維新の神仏分離の祭に廃され、そこにあった仁王像が移されたものです。
 和様ですが、柱の頂上部をすぼめてることや木鼻など禅宗様(唐様)の手法も加わっています。比例が美しく私は好きな建物です。
大願寺 本堂

 現在の本堂は文化12年(1815年)のもので工巧は、宮島の御大工職を務めていた豊島徳之丞安貞で建立当初の棟札が残っています。桁行全長92尺で宮島町内江戸時代建築物としては最大です。

 寺伝では延暦年間(782〜806年)に空海が開創、13世紀はじめに僧 了海によって中興されたとあります。
 高野山真言宗の古刹で「日本三大弁才天」の一つである厳島弁財天を祭ります。明治維新までは厳島神社の造営、修理を統括していました。
 本尊 薬師如来像(国指定重要文化財)など四体の重文指定の仏像を所有しています。
 幕末に勝海舟が長州藩の使者と休戦の会談を行った一室もあります。前庭の樹齢約200年の「九本松」は伊藤博文の植樹。
前庭には「水神さま」もお祭りしてあります。